- この記事では、レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF)の活用を検討している企業向けに、RBFにより資金調達したときのキャッシュフローを試算します
- 調達金額のキャップの考え方、キャッシュアウトのシミュレーションを通じてRBF活用のイメージを持つことを目的としています
RBFのおさらい
RBFは海外で活用が先行しており、欧米ではRBFを提供するユニコーンが複数誕生しています。主要プレイヤーや活用事例はこちらの記事でまとめています。
RBFの調達金額
RBFは、総支払額(調達金額+手数料)を、毎月の売上の一部をレベニューシェアして分割して支払う方式です。調達金額が大きすぎると毎月の売上では支払えなくなるので、調達金額は月次売上のX倍までなどとキャップがかかります
調達金額のシミュレーション
毎月X円の売上があがるサブスク企業を想定します。
RBFで調達金額が月次売上の2倍が調達できたとします。この場合、手数料を10%とすると、
調達金額=2X。手数料込みの総支払額=2.2X
になります。
レベニューシェアの期間は10カ月としてみます(※ あまりに長いとRBF会社にとってリスクなので1年以内が相場)。
ここまでの想定をまとめると以下の通りとなります。
- 月次売上:X円
- 調達金額:2X円
- 手数料込みの総支払額2.2X円
- 支払期間10カ月
毎月のレベニューシェアの金額は、手数料込みの総支払金額2.2Xを支払い期間で割ることによって求められます。
2.2X÷10=0.22X
毎月のレベニューシェアの金額は0.22Xと計算できました。つまり、
毎月の売上の22%をレベニューシェアする計算になります。
月次売上の何倍まで調達できる?調達金額の相場
調達金額をたとえば毎月の売上の5倍にすると、上記と同じ計算で、
毎月の売上の55%をレベニューシェアで支払うことになります。
こうなると、レベニューシェアの分をはらうために資金調達が必要になり、本末転倒になってしまいます。
このように、RBFを活用することによる追加資金調達やデフォルト(支払えない事態)を防ぐために、RBF調達金額にキャップが設定されます。
月のレベニューシェア割合をマックス20-25%におさえるように、月次売上の1.5倍~2倍に調達金額の上限を設定することが考えられます。なお、RBFのユニコーン企業Wayflyerは調達金額の上限を月次売上の1.5倍~2倍に設定しています。
レベニューシェアの方法
レベニューシェアの方法には、固定型と変動型の二種類があります
固定型レベニューシェア
毎月定額をレベニューシェアする方式です。
支払額が固定なので、売上が成長していけばその分売上に占めるレベニューシェアの割合は小さくなります。
変動型レベニューシェア
毎月、売上の一定割合(上記例なら22%)をレベニューシェアする方式です。
売上が小さくなればレベニューシェアの金額が小さくなるので、返済に必要な期間が長くなります。
固定型と変動型の違い
- 固定型は事業成長するほどレベニューシェアの割合が小さくなります
- 変動型は事業成長するほど返済の期間が短くなります
RBF提供会社によって固定型を採用しているケースもあれば変動型のケースもあります。
固定型と変動型のどちらが資金調達企業に適しているかについては、そこまで差がないと思われます。
RBFのキャッシュフローシミュレーション
RBFのキャッシュフローを具体的な数値でシミュレーションします。
<前提条件>
- 月次売上100万円、売上月成長率3%
- 調達金額は月次売上の1.5倍、150万円
- 手数料は8%、総支払額は162万円
- レベニューシェア割合は15%の変動型
RBFについて、具体的な数字のイメージはもってもらえたでしょうか?
手数料や調達金額については、RBF提供会社がビジネスの特性などを考慮して決定します。
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