起業するためにMBA行くのはやめたほうがいい8つの理由

  • 将来的に起業を考える人の中には、経営理論を学ぶためにMBAにトライする人もいるかもしれません
  • MBAコースに参加することによって、多様なバックグラウンドのクラスメートとの議論を通じて実践的に知識を付けられますし、トップMBAスクールであれば経歴に箔がつくので、有効性自体は否定はしません
  • 一方で、本ブログでは起業のためにMBAに行くのはあまり意味がないと考えます
  • この記事では、起業を見すえたMBAについて、やめた方がいい理由8個(①~⑧)について考察します
目次

①MBAを取得したからといって、アイディア差別化ができるわけではない

MBAの魅力としては、ディスカッションを通じてロジカルシンキングやフレームワーク、最新の経営理論について実践しながら学べることです。多様なバックグラウンドのクラスメートの考え方を学ぶことで刺激になることは確かでしょう。

一方で、そのような知識はビジネスアイディア差別化には必ずしもつながりません。

なぜかというと、

  • 戦略コンサルを雇えば、誰でもロジカルかつフレームワークに沿った分析ができる
  • ある程度ネットや書籍で知識を付けて学べる。学んだ知識を企業実務でブラッシュアップできる

ため、MBAで学んだ知識を駆使して思いつくビジネスアイディアは、誰かが似たような思考法で検討しているものになる可能性が高いです。

MBAと起業家の関係性については、元マイクロソフト社長の成毛眞さんも否定的なコメントをしています。

論理的思考やフレームワークを使った分析のようなビジネススキルにしても、ほかの人との差別化にはまったくつながらないし、現場でも大して役に立たない

②MBAホルダーで成功している起業家はMBAだけで成功したわけではない

MBAをとって成功している起業家もいますし、MBAをとらずに成功している起業家もいます。起業で成功するためにMBAが必要なのか?という点について、MBAをとって成功している人が、なぜ成功したのかを考えてみます

イーロン・マスク(テスラ、スペースX、ペイパル創業): Wharton School of Business

イーロン・マスクはペンシルバニア大学ウォートンスクール出身です(経歴詳細は確認できませんが、MBAという扱いになっています)。

イーロン・マスクの父親エロール・マスクは南アフリカで鉱山経営などを手掛ける実業家です。

身内に実業家がいたわけですね。イーロン・マスクは10歳のころ独学でプログラミングを学習し、12歳でソフトウェアを販売しています。子どものころからITで才能を発揮していました。

イーロン・マスクの経歴を見ても、MBAに行かなくても起業家として成功していたはずです。

なお、マスク自身、MBAには否定的なコメントをしています。

リーダーへの道はMBA経由であってはならない。リーダーは下から目指すべきだ。トップMBAスクール出身者でパラシュートで降下してきたようにリーダーになった人は何もわかっていない。パワポを作ってプレゼンはできるが、物事がどのように回っているのかを理解していない

ラリー・ペイジ(グーグル創業):IE Business School

ラリー・ペイジの父親は、ミシガン州立大学のコンピューターサイエンスの教授です。

ラリー・ペイジ自身、幼少期(1970年代)からコンピューターに触れ始めています。

スペインの名門ビジネススクールIEを卒業後グーグルを創業しますが、親がコンピューターサイエンスの教授でなければ、MBAに行ったとしてもグーグルを創業していたでしょうか?

マイケル・ブルームバーグ(ブルームバーグ創業):Harvard Business School

マイケル・ブルームバーグの両親はポーランドからのユダヤ人移民です。ハーバードビジネススクールを卒業後、証券会社の名門ソロモンブラザーズに入社し、パートナーまで上りつめます。その後、ソロモンブラザーズを離れ、ブルームバーグを設立。金融情報端末をウォール街に売りさばき、全米有数の大富豪となりました。

マイケル・ブルームバーグの場合は、ソロモンブラザーズ時代のウォール街のネットワークが成功のカギだったといえそうです。これなしで、MBAを持っているからといってブルームバーグのように成功できたとは思えません。そもそも、ブルームバーグ自身、ウォール街で活躍するためにMBAをとったと考えられます。

③学歴だけでは資金調達はできない

たとえ海外トップMBAを修了しても、その学歴だけで資金を集めることはできません。

なお、MBAのアラムナイネットワークで投資アイディアについて話を聞いてもらえるというメリットがあるのは否定しません。

しかしながら、最後に投資家を納得させるのは、起業家のこれまで仕事で何を成し遂げてきたかやビジネスアイディアであり、これについてはMBAはあまり関係ありません。

④MBA準備期間とあわせると起業のタイミングが遅れる

MBAの準備期間としては、

国内MBA:3か月~6カ月

海外MBA:1年半~2年

と言われています。

この期間は、現職のかたわら英語の能力試験やエッセイ、インタビュー準備に費やされることになります。

起業をするためにMBAに行くための準備期間として、海外MBAであれば1年半~2年かかる。さらに、海外MBAのコースは1年半から2年かかるので、合計で3年~4年MBAに行くと起業のタイミングが遅れることになります。

ビジネスアイディアを実現するのは早いもの勝ちなので、3年~4年のブランクはインパクトあります。

⑤MBAにいくことが自己目的化する

上記のように、MBAに行く前には準備が必要であり、それなりのリソースを投入することになります。

起業のためにMBAに行くとしても、MBAの準備の間は起業のことというよりは、

「いかにしてより上のビジネススクールに入るか?」

ということを優先して考えるようになります。

MBA後に起業を目指す場合、本来はMBAが手段であるべきですが、このようにMBAの自己目的化が発生します。

⑥起業して会社を成長させた頃にはMBAで学んだ知識は陳腐化している

MBAでは、企業が日々直面している経営課題を解決するにはどのようなアプローチが最も効率的か、実践的なディスカッションを通じて模擬体験ができます。

一方で、MBAコースで取り上げられる経営課題のすべてが、立ち上げ時期の企業に適用できるものではないです。大きな企業ほど複雑で解くのが難しい問題を抱えており、MBAでも大企業の問題が多く取り上げられます。

このため、MBA修了後に起業したとしても、学んだ知識を活かせるのは、企業が成長して大きくなってからで、だいぶ先になります。

起業後にMBAで学んだ知識が活かせるような大企業に成長させたとしても、そのころには市場・競争環境、社会情勢が大きく変わっており、知識の陳腐化が起きる可能性があります。

⑦起業したとしても最初の数年間は年収が低い

MBAの卒業生は、社費留学生であれば事業会社に戻りますが、それ以外は戦略コンサルや投資銀行などの高年収の会社にいって年収が前職よりもアップするケースが多いです。

MBA修了後に起業したとして、事業が軌道に乗るまでは数年間は見ておくべきです。

この期間については、同期生が戦コンやIBで高い給料をもらっているのを横目に、しばらくは低い年収で頑張る必要があります。

いかに志が高くても、この期間が続けば続くほど、

「戦コンやIBにいっておけばよかった・・・」

とモチベーションが下がる可能性があります。

言い換えると、MBAをとって起業で成功するには、このモチベーションの低下を乗り切れるだけの熱意が必要になります。

⑧MBAはお金がかかる

MBAの授業料は、

国内MBA:300万円~500万円

海外MBA:1,000万円~2,000万円

と言われています。海外MBAの場合は授業料に加えて生活費がかかるわけで、合計すると3,000万円ほどになることもあります。

もし、起業したくてビジネスアイディアがあるのであれば、この金額を元手に事業を開始してしまった方がいいです。

結論

起業したいと思ったとき、経営の知識を身に着けるためにMBAに行く必要はありません。社費留学やMBA後戦コンや投資銀行行く人はMBAおすすめしますが、起業を考えている人にはおすすめしません。

MBA(特に海外MBA)の1年半~2年は英語とネットワーク、職務経歴書に箔をつけるためのハイエンドなモラトリアム期間です。

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