本ブログ管理人は資金調達やIPO支援を通じて、ベンチャーのCFOの方々と仕事をしてきました
この記事では、特にベンチャーのCFOになるにはどのようなスキルが必要なのか?
そしてそのスキルを身につけるためにどのようなキャリアパスが必要になるのか?
についてブログ管理人の経験もふまえて考察します
キャリアアップを図るうえでは、場当たり的に求人を探すのではなく、まずはCFOに必要とされる条件をおさえたうえで、それを実現するためのキャリアプランを構築する必要があります。
なお、本ブログ管理人は転職によるキャリアアップを二回経験しました。転職で成功するために必要な点は以下の通りです。
- 転職するなら年収アップを目指すべき。そのためには、自分の専門性を活かせるポジションを見つけることが重要
- なぜ今なのか?なぜその業界なのか?などは一人で考えていてもなかなかまとまらない。いろんな人たちと話すことで、だんだん考えがまとまっていく
自分の専門性を活かせるポジションを探すことはもちろん、二点目の考えをまとめるための「壁打ち相手」は必須です。
後悔のない選択をするには、他の人との会話を通じて自分のキャリアについての考えを深める必要があります。
本ブログでは、CFOを目指すキャリアパスをふくめ管理部門系のキャリアにつき【管理部門特化型エージェントNo.1のMS-Japan】への相談をおすすめしています。
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それでは、CFOに必要なスキルとキャリアプランについて考察します。まずはCFOの業務内容からまとめます。
ベンチャーCFOの業務内容・必要スキル
ベンチャー企業CFOに求められる業務内容は以下の通りです。
領域 | 業務内容 |
財務会計 (制度会計) | 会社法計算書類作成、内部統制プロセス構築・運営、監査法人対応 IPO準備 |
管理会計 (事業管理) | 事業計画作成、予実管理・KPI設定、レポーティング、資金繰り |
会計システム | 財務会計・管理会計システムの運用・投資判断 |
資金調達 | プレゼンテーション資料作成(事業計画作成含む) 資金調達時タームシート作成(ストラクチャ=発行株式条件検討含む) キャップテーブル作成 DD対応(QA対応、資料準備など) 株式引受契約締結 融資契約締結 |
M&A | M&Aの案件創出 条件交渉・契約締結 PMI |
外部コミュニケーション | 投資家ミーティング、投資家対応 金融機関対応 |
(※)大企業CFOであれば子会社管理やグループ全体のキャピタルアロケーション(および付随する社内調整=社内政治)などが上記に加わりますが、業務内容の大枠としてはベンチャーCFOと大きな相違はありません。
順に業務内容を見てきましょう。
財務会計(制度会計)
財務会計(制度会計)関係では、大きく分けて以下のような業務に責任を持ちます。
- 会計基準にのっとった会計処理・開示方法で財務諸表を作成する
- IPO準備(上場準備資料Iの部、IIの部作成)
- 内部統制プロセスを整備・運営する
- 上記三点について監査法人の監査を受ける
CFOの業務を「攻め」と「守り」で表現するなら、財務会計関連は「守り」に区分できます。
会計基準・会社法関連についての知識を活かして、制度にのっとった手続きを確実に行うよう、監督をするのがCFOの役割です。この領域では、以下のような経験が生かされます。
- 監査法人での監査経験(会社法計算書類、内部統制)
- 監査法人でのIPO支援、IPO監査
- 事業会社での開示部門、グループ連結会計部門
監査法人でシニアポジションまで行った人が、上場を見すえて財務会計領域整備するためにベンチャーCFOとして招聘されるケースがあります。
管理会計(事業管理)
管理会計(事業管理)の領域では、大きく以下のような業務を監督します。
- 事業計画作成
- KPI設定、予実管理
- 経営会議でのレポーティング
- 資金繰り
管理会計関連業務は、計画策定・予実管理、そしてそこから抽出できるアクションプランの策定・実行を通じて、PL(損益)を管理します。財務会計よりも、ビジネス経験やビジネスセンスが要求される領域です。
事業会社でPLを管理するような部門(事業管理部門)での経験が活かされます。
会計システム
CFOが管轄する業務はITシステムが不可欠です。ベンチャーについては自社で設備を構築するというよりは、クラウド会計システムの活用が基本になるでしょう。メジャーなクラウド会計システムは以下の通りです。
- 弥生
- マネーフォワード
- freee
クラウド会計システムの投資判断やベンダーの選定、導入などはCFOの管轄になります。
特に会計の業務コンサル出身者が強い領域です。
資金調達・M&A
資金調達は、CFOの「攻め」の業務領域です。
より良い条件での資金調達をタイムリーに実現することで、CFOとして事業成長に直結する貢献ができます。具体的な業務内容としてはこのようになります。
- 資金調達説明資料作成
- 投資家向けプレゼンテーション資料作成
- エクイティストーリー作成(※成長戦略や強みに基づく事業計画の説明)
- キャップテーブル(過去資金調達ラウンドの投資家や投資条件をまとめたもの)
- ストックオプションや転換権含めた単価の計算含む
- DD対応資料(開示資料整備、QA対応)
- 条件交渉/締結
- 株式引受契約締結
- 融資契約締結
資金調達についてはやったことがある人が少ないので希少性の高いスキルになります。また、成長資金を調達しなければ成長がないベンチャー企業においては、CFOがもっとも華々しく活躍できる領域です。
資金調達については、以下のような経験が必要になります。
- 投資銀行・証券会社などでの資本政策案件
- コンサルなどでの資金調達アドバイス
- 銀行での融資経験
- 法務部での引受契約/融資契約締結経験
なお、ベンチャー企業もVCの資金バックアップを受けるなどして企業買収による成長スピードアップを実現するケースもあるので、M&Aの経験もあれば尚可です。
外部コミュニケーション
CFOの外部コミュニケーション先には、投資家や金融機関対応が含まれます。
ベンチャーCFOに求められるのは幅広い投資家との折衝を可能にするコミュニケーション能力です。外部の人でも自然と「この人と仕事がしたいな」と思わせるような人格やビジネス経験が必要になります。
資金調達をするうえでは、海外投資家の存在も見逃せません。英語圏の投資家ネットワークに入っていって、英語で投資家とコミュニケーションをとることで多くの海外投資家を資金調達に参加させることができます。海外で英語を使った実務経験があれば尚可です。
CFOを目指す戦略的なキャリアプラン
それでは、ここからベンチャーCFOになるためのキャリアパスを考えていきます。
CFOになるには、3つの道があると考えます。
- 金融ルート:投資銀行、証券会社、財務コンサルで経験を積む
- 監査法人ルート:会計士資格を取得し、監査・上場支援などにつき監査法人で経験を積む
- 事業会社ルート:事業管理部門で経験を積む
1.金融ルートと2.監査法人ルートが王道のキャリアパスになります。
1.金融ルートが「攻め」のCFO、2.監査法人ルートが「守り」のCFOとなります。「攻め」のCFOは、投資銀行など金融出身の30代半ばくらいの方がなり、「守り」のCFOは監査法人出身のシニアな方がなるケースをよく見ます。
本ブログ管理人は事業会社経理部門出身です。本記事では3. 事業会社ルートについて深堀りします。
事業会社出身でベンチャーCFOにどうやってなる?
事業会社で経験を積みそこからベンチャーCFOになるケースはあまり多くありません。どちらかというと、金融系・監査法人系のネクストキャリアとしての位置づけがメインです。
事業会社出身者の想定キャリアプランは以下が考えられます。
事業会社ルート(本社で経験を積める場合)
できれば、海外駐在をして英語での実務経験を積んだほうがCFOへの道は開けていくと考えます。資金調達時の海外投資家とのコミュニケーションの観点です。
また、事業部経理を経験しつつ、本社経営管理部門でよりキャリアを積む必要があります。本社であれば財務会計やシステム・資金調達プロジェクトについても参画の機会があるからです。
事業会社ルート(上記以外)
海外駐在、本社勤務が当面見通せない場合には、ベンチャーCFOをキャリアゴールにする場合には以下のようなキャリアアップをおすすめします。
- 公認会計士(USCPA含む)を取得して監査法人へ転職し、CFOを目指す
- 証券会社・FASに転職する(投資銀行は異常に入りにくいので除外)
なお、公認会計士(日本)は難しすぎます。周りでいつまでも合格しない人たちを見てきているので、あまりおすすめしません。
ベンチャーCFOへのキャリアパスとして会計士資格を取るのであれば、USCPAをおすすめします。本ブログ管理人も投資銀行業務のかたわらオンラインスクールのアビタスでおよそ1年半で取得しました。
証券会社・FASは常に人手不足です。事業会社出身者でも十分チャレンジできます。ここに関しては、チャレンジするのは早ければ早いほどいいです。
キャリアアップを目指すには?
自分の人生がどうなっていくかは、他人(会社人事)に委ねるのではなく自分で決められるようにすべきです。
その方が楽しいし年収をアップすることもできるからです。
どのような職種にも言えることですが、キャリアアップするための第一歩は、これまでの自分の経歴を肯定したうえで、何をしたいかを言葉にすることです。
キャリアアップを検討する場合にはなるべく多くのエージェントと話をするようにしましょう。
なぜならば、
会話の中で本当に自分のやりたいことに気づけたり、
複数のエージェントと話をする中で信頼できそうな人や単純に気が合いそうな人を選ぶことができる
からです。
経理系の職種出身者であればこれらのエージェント登録しておいて損はないです。
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