レベニュー・ベースド・ファイナンスって何?主要プレイヤーと活用事例まとめ

レベニュー・ベースド・ファイナンスのプレイヤー分布(グローバル)

レベニュー・ベースド・ファイナンスは、スタートアップ・中小企業向けの資金調達方法として、増資、借入、ファクタリングに変わる新しい選択肢として注目が集まっています。

レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF)とは、資金提供を受ける見返りとして、将来の売上の一定割合を渡すこと(レベニューシェア)を約束する資金調達です。

海外ではレベニュー・ベースド・ファイナンス提供会社が増えてきており、スタートアップ・中小企業のメジャーな資金調達方法の一つとなっています。特に、近年提供会社自身が大型の資金調達に成功・事業を拡大しており、RBF市場自体も年率50-60%の成長が見込まれています。

レベニュー・ベースド・ファイナンスのビジネスモデル自体が海外発祥のものです。RBF日本においては、PAYTODAYとYoiiがレベニュー・ベースド・ファイナンスを提供していますが、欧米とくらべるとまさにこれから普及が進んでいくというステージにあります。

海外の事例を見ることで、今後の日本への導入がどのように進んでいくかの参考になるはずです。この記事では、以下のような疑問にたいして海外の主要プレイヤーを見ていくことで答えていきます。

  • 誰がレベニュー・ベースド・ファイナンスを提供している?
  • レベニュー・ベースド・ファイナンスの事例は?

レベニュー・ベースド・ファイナンスの提供会社

レベニュー・ベースド・ファイナンスの提供会社には、①フィンテック系スタートアップか、②の投資ファンド系の二種類があります

フィンテック系のスタートアップ

レベニュー・ベースド・ファイナンス提供会社の多くは北米かヨーロッパにあります。インドもスタートアップ大国でありいくつか有力な提供会社があります。近年大型の資金調達に成功した企業をピックアップして紹介します。

なお、レベニュー・ベースド・ファイナンス提供会社はここ数年で企業価値10憶ドル以上のユニコーンが次々と生まれています。資金の出し手から成長が期待されている産業であると同時に、今後の成長加速が期待されています。

  • アメリカのフィンテック企業Pipe Technologies
  • 2019年設立。2021年に2.5憶ドルの調達を実現。企業価値は20億ドル(およそ3,000億円)
  • サービス提供先はSaaS、D2C事業者(自社ECサイトからの直接販売)など
  • アイルランドのフィンテック企業Wayflyer
  • 2019年設立。2022年に1.5億ドルの資金調達。企業価値は16憶ドル(およそ2,400億円)
  • 顧客の60%以上はアメリカ・カナダ
  • スタートアップ、SaaS企業へサービス提供
  • カナダのフィンテック企業Clearco
  • 2015年設立で直近資金調達はシリーズDの60MUSD
  • 今後二年間で8.5億ドル(およそ1,275億円)のレベニュー・ベースド・ファイナンス実行を計画
  • サービス提供先はEコマース、SaaS、モバイルアプリケーション
  • ドイツのフィンテック企業re:cap Technologies
  • 2021設立で、設立年に1.1億ドル調達
  • ヨーロッパのフィンテック企業の中では当時最大規模の調達を実現
  • サービス提供先は、SaaSビジネスか、サブスク課金型のソフトウェア事業
  • スペインのフィンテック企業Ritmo
  • 2021年設立。2022年に1.8億ドルの資金調達
  • サービス提供先はEコマース、SaaS、モバイルアプリケーション、ゲーム開発会社、D2C事業者
  • フランスのフィンテック企業Silvr
  • 2020年設立。2022年に1.3億ユーロの資金調達
  • サービス提供先は、SaaS、Eコマース、D2C事業者

投資ファンド系

投資ファンド系のサービス提供会社は特に北米に多いです。もともとスタートアップ向けに資金提供していた会社がレベニュー・ベースド・ファイナンスに事業を拡げています。

以下で主要な会社をピックアップして紹介します。

  • アメリカのレベニュー・ベースド・ファイナンス提供大手Decathlon Capital
  • サービス提供先は北米企業に特化
  • 投資条件が合えばセクターは問わない
  • カナダの上場投資会社Flow Capital
  • 1993年設立。投資地域は北米、イギリス
  • 投資先はテック、SaaS(他のインダストリーにもオープン)
  • アメリカの投資会社Lighter Capital
  • 2010年設立。これまで500社以上のスタートアップ資金調達を支援
  • サービス提供先はテック、SaaSがメイン
  • アメリカの投資会社SaaS Capital
  • 2007に設立、SaaS企業の資金ニーズに応える中で早期からレベニュー・ベースド・ファイナンスを提供
  • サービス提供先はSaaSが中心

レベニュー・ベースド・ファイナンスの活用事例

レベニュー・ベースド・ファイナンスは、①継続的な売上があるSaaS企業や課金型ビジネス(ソフトウェア、会員制ビジネス)や、②D2C(自社ECサイトからの直接販売)など受注が確定しているようなケースにおいて多く利用されます

ここからは、レベニュー・ベースド・ファイナンスの具体的なケーススタディについてまとめていきます。ケーススタディの構成要素は以下の通りです。SaaSプロバイダー、D2C事業者で順にみていきます。

  • ビジネス:レベニュー・ベースド・ファイナンスが適用された事業の内容
  • イシュー:レベニュー・ベースド・ファイナンスを利用するに至った事業上の課題
  • ソリューション:レベニュー・ベースド・ファイナンスがどのようにビジネスイシューを解決したか

SaaSプロバイダー向けケーススタディ

ビジネス
  • 小売り・サービス事業者向けサービス
  • 予約・アポイントメントをウェブで完結するシステムを提供
  • 一度システムを導入してもらえれば毎月定額で売上発生
  • 2012年設立、従業員は80人

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イシュー
  • 成長資金を調達したいが、株式発行はしたくない(経営者持分の希薄化はしたくない)

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ソリューション
  • SaaS契約からの将来売上高の一部を渡す代わりに、すぐに成長資金を調達する
  • 株式発行なしで資金調達を実現し、経営者持分の希薄化は回避

D2C(自社サイトからの直接販売)事業者向けケーススタディ

ビジネス
  • 元々アパレル店舗を経営していたが、COVID-19を経て自社ECでの販売にシフト
  • このまま自社ECサイトでの販売を拡大していきたい

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イシュー
  • アパレルはまず商品を仕入れなければいけないので、売る前にキャッシュアウトが発生
  • 事業拡大していく場合にはさらにキャッシュアウトが必要。成長のために資金調達したい

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ソリューション
  • 受注が入っているので将来の売上はある程度固い(返却率などは要考慮)
  • 将来の売上をもとに、受注にともなう運転資金を確保。加速度的な成長を実現

日本でおすすめのレベニュー・ベースド・ファイナンス提供会社

日本でおすすめの会社はPAYTODAYです。なぜかというと、

  • 押し売りするのではなく、あくまで資金調達の選択肢の一部としてレベニュー・ベースド・ファイナンスを提案
  • ファクタリングも提供しており、顧客の資金ニーズに柔軟に対応できる
  • 日本のレベニュー・ベースド・ファイナンスのリーディングカンパニーであり、業務の知見を蓄積している

からです。

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