今回は分散投資によってどのリスクが低減されるのかを見ていきましょう。結論からいうと、2種類のリスクのうち、スペシフィックリスクが分散投資により低減されます。
この記事では、リスク分散を深堀して考えます。
リスク分散の深堀り
リスクには、市場全体に影響するシステマティックリスクと、個別銘柄だけに影響するスペシフィックリスクの2種類がありましたね。このうち、システマティックリスクについては全員に影響する逃れきれないリスクであり、分散投資では低減できません。
一方で、スペシフィックリスクについては、個別銘柄固有のリスクであり、いろいろな銘柄に投資することでリスク分散ができます。
このことは、以下のようにまとめられます。
分散投資によるSpecific Risk低減のケース
- 想定①
日本最東端、南利島近海に眠るレアメタル採掘会社
- 想定②
資源は海底深く眠っていて、実際に掘ってみないと埋蔵量があるかはわかりません
この状況でどのようにこの事業特有のリスク、すなわちスペシフィックリスクを低減できるでしょうか?いいかえれば、資源採掘によってえられるお金の目算をどれだけ立てられるか?ということになります。
結論から言うと、リスク低減するには、採掘する場所を分散させることが必要です。
事前にどこに資源があるかわからない状況では、一か所だけ掘っても資源がない場合もあるし(鉱区A~C)、反対に埋蔵地にヒットする場合もあります(鉱区E・D)。
一か所だけ採掘する場合には、埋蔵量があるのかないのかでキャッシュフローの見込みが大きく変わる(不確実性が高い)ので、投資のリターンの目算を立てられません。
複数エリアを採掘する場合には、どこかにあたるだろうという想定のもとで、①採掘によるキャッシュイン(資源評価の場合には一般的に掛け目をかける)、②採掘のための投資額、費用をもとにキャッシュフローの見込みが立てられます。
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